筆者の思想

媚びる創作も悪くはない

アーティストの中には、社会の風潮に媚びたコンテンツの創作を毛嫌いする人も少なくない。僕もその中の一人だったが、最近は少しずつその考えも変わってきた。というのも、結局のところ自分の脳みそを使ってオリジナリティを出していく過程は変わらないからだ。物語が形成されていくとモチベーションも向上し、ワクワクしてくる。

”媚びる”という言葉に嫌悪感を抱くのは、おそらく”アーティストたるもの社会に流されてはならない”という意地のようなものがあるからだと思っている。誰しも、自分で生み出す作品にはプライドがあるものだ。弄くり回されることを好む職人もそういない。

しかし、創造で名を残したいのであれば、ある程度は媚びていかなければ厳しいものがある。媚びるという言い方が嫌いなら、便乗するという表現に変えてもいいのかもしれない。二番煎じや三番煎じという表現も耳にするが、この世に残る多くの作品が既に何番煎じかわからないほど継承されている。どうせ誰かの作品に影響されているわけだから、今更そこで頑固になっても社会から孤立を迫られるだけだ。

僕は今、企画作家としての活動も始めたが、Web漫画の企画を通すためには流行りの王道を徹底的に模範しなければならない。流行っている作品にははやるだけの理由があるからだ。抑えるポイントを抑えた上で物語を執筆しなければ、連載したところでリピートしてくれる読者も増えず課金もされないだろう。

「似たような作品ばっかだな!」と思う気持ちは痛いほどわかるし、自分はそんな流行りに染まりたくないという思いもわかる。しかし、結局やることは変わらない。僕ら作家は読者の心に響く物語を執筆する。ただそれだけだ。

模範とする作品があったとて、物語を書くのは僕でありあなただ。歌の場合でもお芝居であっても映画であっても同じことで、クリエイター本人が知恵を振り絞って書き、どうすれば面白い物語が書けるのかをブラッシュアップしていくうちに、いつの間にかオリジナリティが滲み出ているものだと僕は思う。あなたは他人にはなれないし、他人もあなたになれることはない。僕やあなたの内側に眠る個性は、僕らが裏切らない限り決して裏切ることはないのだ。

流行りに便乗すれば、それだけ市場に近くなる。もちろん、ただ便乗するだけではダメだ。大衆が納得するほどの上質な創造物を生み出す技術は日々磨いていかなくてはならない。クリエイターとしてのプライドが邪魔をするかもしれないが、作ることが大好きなのであれば、きっとその壁がすぐに乗り越えられるだろう。

クリエイターの仕事は、観て聴いてくださる方がいて初めて成立する。せっかく作るのであれば、触れてもらえる可能性の高い媒体を利用するのも悪くないのではないだろうか。

いつか生まれる唯一無二と出会える日まで、とにかく、創作を続けよう。

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