筆者の評論

映画「事実無根」鑑賞・レビュー

監督:柳 裕章 主演:近藤 芳正 村田雄浩 東 茉凜の映画「事実無根」を鑑賞したのでレビューしていく。

僕が脚本・監督・編集として携わった映画「THE HIMIKO LEGEND OF YAMATAIKOKU」でご出演いただいた村田雄浩さんが出演されてると聞き、十三はシアターセブンへ駆けつけた。ズバリ、人間味の溢れ出る素晴らしい映画だった。

汚名を着せられ、その巻き添えとなった人間たちが抱える課題。一見、別々のように思えた闇にはある共通点があった。嘘という波紋は時間をかけて少しずつ大きくなり、やがて大衆に大きく影響を及ぼしていく。今作はそんな”嘘”によって引き起こされたもどかしい未練と葛藤から生まれるヒューマンドラマだった。嘘をリアルに描くとなると、それはもうドロドロで見るに耐えないほど残酷な演出を加えていかなくてはならない。しかし、映画「事実無根」においては、リアルながらも比較的ライトに人間の本質を炙り出しているため、どの年齢層でも安心して鑑賞を続けられ、かつ教訓を得られる作品として仕上がっていた。

程よい伏線もさることながら、主演を務めた御三方のセンシティブな感情表現にはアッパレの一言。いち観客として素直に楽しむ一方で、創作者としての自分にも大きく刺激を与えられた。

今作には、嘘に良いも悪いもないという非常にシンプルなメッセージが詰め込まれている。結果的に、それぞれがついた嘘によって、自分自身のうちに宿る課題と向き合わなければならなくなるのだ。それも、相当辛い状態で。課題との向き合い方も一つではないが、主人公たちが嘘を利用したことで、事態は悪化し、急展開していく。そうして最終的に「嘘なんてつかなければよかった」と思える心温まるラストを迎えるのだ。

嘘をつくということは、その嘘はやがて自分に返ってくることを覚悟してつかなければならない。なぜなら、嘘は必ず公になると相場が決まっているからだ。個人レベルの嘘であればバレることはないのかもしれないが、そうではなく、誰かと誰かがいて初めて成立する嘘である以上、必ずボロが出るもの。事実無根は、人間ならば誰しも日常的につきがちな嘘を、大げさになり過ぎず、限りなく現実味のある形に落とし込んで作られていた。

公開中のため過度なネタバレは控えている。あとは実際に劇場でご鑑賞いただき、それぞれの課題とも向き合っていただければと思う。映画「事実無根」は、シアターセブンにて上映中だ。公式ホームページよりスケジュールをご確認あれ。監督や俳優の登壇もあるようなので要チェックだ。

映画「事実無根」公式ホームページ

それでは、また。

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