招待券をいただき、人生初のクラシックコンサートへと足を運んだ。以前からオーケストレーションは好みだったし、特にゲームサウンド(中でもゼルダの伝説)のオーケストラのメロディーではよく感動していたため、生で壮大な音色を聞けることが楽しみで仕方がなかった。本公演ではゲームサウンドではなく生粋のクラシックが演目となっているが、見識を広めるという意味でも、芸術鑑賞は有意義な時間だ。知らずとも、発信された演奏をどう受信するかが重要である。今日ばかりは正装で、兵庫県立芸術文化センターへと行ってきた。
三枝成彰さんのプレトークから始まり、穏やかに演奏が始まってゆく。静かながらも強かに繰り広げられるアンサンブルは非常に心地よく、ライブハウスなどの爆音で音楽を披露するLIVEとは違って、耳に優しく触れられるようなソフトなボリューム感が良い意味で眠気を誘う。リラックスできる波動が出ていたのだろうか。とにかく、攻撃的な音楽ではなく、とても癒された。ソフトなボリュームでも、迫力だけは損なわない絶妙な緩急。あれほどの人数で音を合わせているにも関わらず、ちゃんと一つの世界観としてまとまっているところはプロの成せる技だろう。
僕は演奏を聴きながら、オーケストラはまさにこの世界の生命を象徴する形式だと考えていた。なぜなら、誰かひとりでも欠けた時点で成立しない音楽だからだ。それぞれに重要な役割があり、無駄な存在は一切ない。人は一人でも何かを成し遂げることはできるが、やはりチームで導き出した結果とは差が開く。孤独で戦っているといずれ頭打ちになるが、大勢で立ち向かうことができれば役割分担ができ、適材適所で能力を注ぎ込んでいける。オーケストラは僕らに「君はひとりじゃないし、必要とされているよ」と、力強く教えてくれると感じた。
冒頭のトークで、三枝さんは「メッセージのない音楽はクズだ」と熱くお話しされていた。僕も、その言葉に強く賛同し、心を揺さぶられた。今回、楽曲というよりかは、僕はオーケストラという大きな括りで思考を巡らせることができたが、それもメッセージを持って誕生したオーケストラであるからこそ受け取ることができた情報なのかもしれない。見てくれだけのパッケージでは心に残る作品は作れない…こともないのかもしれないが、作り手としても受け手としても、どうせ人様に届けられるものであるならば、しっかりと信念を宿した創作物にしてほしいと考えるのが自然だ。
一流は何故に一流であるのか…その答えは一つではないが、少なくとも僕の中では、一流は仕事に情熱と信念を注ぎ込むことをためらわないからこそ一流に成り得るのだと思った次第だ。また、クラシックに触れられる機会があれば、積極的に鑑賞したいものだ。
それでは、また。
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