筆者の評論

映画「アイアン・スカイ」鑑賞・レビュー

監督:ティモ・ヴオレンソラ 主演: ユリア・ディーツェ クリストファー・カービイの映画「アイアン・スカイ」を鑑賞したのでレビューしていく。

※僕のレビューはネタバレを含む場合があります。興味のある方のみご一読ください。

月の裏側に潜んでいたナチスが、UFOの大群を率いて地球を侵略するSFアクション。第2次世界大戦後、完全敗北したと思われたナチス第三帝国の一部のエリートは、連合軍の追跡を逃れ、密かに月へと逃亡。月の裏側に秘密基地を作り、復讐の機会をうかがっていた。それから70年が過ぎた2018年、ついにナチスの地球侵略が始まる。大胆な設定が製作前から話題となり、ベルリン国際映画祭でプレミア上映もされた(映画.comより引用)。

映画「アイアン・スカイ」あらすじ

言わずと知れたとんでも論万歳のオカルトエンターテインメント映画。鑑賞する機会をなかなか掴めなかったが、この度ようやく観ることができた。結論から言うと、スカッと頭を柔らかくして楽しめる傑作映画だった。ただし、良い意味でも悪い意味でも頭の悪い作品なので、賛否を極端に分断してしまう諸刃の剣映画とも言えるだろう。

随所に人間の本質を盛り込んでいるところが今作のミソだ。パロディを含めたコミカルな演出で軽快に物事が進んでいくが、人間の意地汚さや腐り切った性根など、大げさにライトな演出を施し見える化することで笑いに変えている。センシティブな社会問題に対する皮肉が余すところなく配置されているのだが、よくこれが映画として上映されたなと観ていて感心した次第だ。根強いファンの力が功を奏したのかもしれない(一般のファンから1億ほどのカンパを受けた作品らしい)(僕が脚本を書いた卑弥呼の映画もカンパして欲しい)。

残念ながら、皆が期待していたアドルフ・ヒトラーは登場しないが、その意思を受け継いだナチスの残党たちによる復讐劇はさながら宇宙戦争だ。さりげなく、UFOは宇宙人のものではなく地球人が作ったというオカルト要素も入っており、地球侵略を目論むのは結局は同じ地球人である。人間は常に争い合う生き物だと象徴的に演出しているのかもしれない。

…と、以上のようにやや深めに考察をしてみたのだが、基本的には中身がすっからかんの映画だった。黒人を無理やり白人に変えたり。大統領の良い加減な政策であったり。各国に対する皮肉だったりと、エンタメの中に僕らが言いたかったことが堂々と詰め込まれていて清々しい。要するに、面白い映画であることに変わりはないのだ。説明は難しいが、どこか「こういう映画を観たかった」という我々の深層心理に眠る求めていたエンターテインメントを具現化してくれたような作品だった。CGも低予算ながら頑張っている方なので、見応えは十分にあるだろう。

どうやらこの作品には2作目が存在するようで、続編には待望のアドルフ・ヒトラーも登場する。その他にも、これまた皮肉が格段に増した登場人物がいるらしい。また続編もレビューしようと思う。


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