筆者の思想

夢語り2「歌手としての展望」

架空のアニソンシンガーと調べれば、ほとんど僕の情報が出てくると思う。

深夜アニメに出会ったことがきっかけとなり、アニメ業界で生きていくことが憧れになったあの頃。僕は、声優やアニソンシンガーの道を志すことを決意し躍起になっていた。いたって平凡であり、ありきたりな動機だった。

ビジュアルアーツ専門学校大阪に入学し、声優学科で役者としての知識を教えてもらった。その後は賢プロダクションの養成所スクール・デュオにて学ぶが、夢叶わず次のステップに昇格することはできなかった。その後も役者として転々とするが、地図を失った旅人が如く、僕は”なんとなくやりたいこと”をやり続ける浮浪者となってしまった。

そんな時、父「リピート山中(ヨーデル食べ放題作詞作曲)」に提案されたのが、架空のアニソンシンガーという生き方である。

自身でアニメのあらすじを想像し、そこから主題歌・挿入歌・エンディングテーマを作り歌う活動。要するに、どこにも放送されていないアニメの歌を唄う取り組みだ。

競争率の激しいアニメ業界で生き抜くのなら、競争者たちと同じことをやっていてはいけない。アニソンシンガーになりたければ、”勝手になってしまえばいい”ではないか。父と僕は共通の理念のもと、誰も知らないアニメソングを作り続けることになった。その第一弾として誕生したのが、人類に焼肉を伝えた男の物語。TVアニメ「焼肉王子」の主題歌「焼肉王子」だった。

あまり類を見ない活動形式だったので、当時は多方面から興味を持っていただけたように思う。理想は、架空のアニソンから漫画やアニメが誕生し、本物のアニソンシンガーになること。漠然とアニメ業界で声優・歌手として働きたいという想いは、いつしかより深い活動意義が形成されていった。

それは、「そんなバカな」と言われる状況でも、なりたい自分になれることを証明し、中学高校と根暗だった僕のような人間に行動する勇気を与えることだった。

僕は、誰でも夢を叶えられることを伝えたかった。不登校だった僕でも、偏屈な僕でも、必ず成し遂げられるのだと体現したかった。なぜなら、この僕自身が、アニメソングによって勇気づけられたからだ。

性質上、人前に立って歌を唄えるような人間ではない。シンガーソングライターの父の活動をずっと観てきたものの、実際にステージに立つほどの度胸もなければキッカケもなかった。そんな時に知人から聴かされたアニメソングが、根暗だった僕を”ステージに立ちたい”と思わせてくれる強力なエネルギーを与えてくれたのだ。

あの頃、僕を奮い立たせてくれたアニメソング。水木一郎さんやささきいさおさん。堀江美都子さんなど、罵詈雑言を浴びながらも獣道を舗装してくれた先駆者たちのように、今度は僕から誰かに勇気とエネルギーを発信したいと思った。

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架空のアニソン活動は、僕に多くの出会いをもたらしてくれた。

松本梨香さんやNobさん。谷本貴義さん。高橋ヒデノリさん。池田彩さん。うちやえゆかさんなど、本物のアニソンシンガーの皆様と共演させていただけた上に、石原真一さんにはワンマンライブにゲストとしてお招きいただき、一緒に「青春ラジメニアの歌」や「仮面ライダーAGITO」をデュエットさせてもらえた。

実は、水木一郎さんとも一度だけ面識がある。

とは言っても共演者としてではない。僕はアニソンシンガーを夢見る一人の青年として、NHK BSプレミアムで放送された「第3回アニソンのど自慢G」に出場した。エントリー曲は「キャプテンハーロック」。僕がボーカルトレーニングスクールの発表会で、初めて人前で歌った楽曲だ。

エントリー当時は特別審査員が水木一郎さんご本人だとはつゆ知らず、名前が上がった際には全身に衝撃が走った。憧れの水木一郎さんの前で水木一郎さんの歌を唄う。このような貴重な経験があるだろうか。おまけに来客用に披露されるアトラクションコーナーでは、ご本人がキャプテンハーロックをセットリストに組み込んでおり、まさかのご本人と曲被りが発生してしまいとても恐縮したのを覚えている。

「僕の若い頃の時代に君のような歌声を持った人がいたら、今の僕はなかったかもしれない」

この話は何度のなくしているが、歌唱後、水木さんから言われた言葉は今でも鮮明に覚えている。もちろん、これは観客を前にして言っていただいた言葉だ。演出としてのメッセージなのか、本人の本当の気持ちなのか、はたまた「それでも君はその時代にいなかったから、僕は負けることはないよ」という帝王としての意志なのか、今となってはわからない。

残念ながら、水木一郎さんと共に歌う夢は、水木さんの死去によって絶たれてしまった。この時、夢には賞味期限があると同時に、夢は一人だけでは成立しないものなのだと痛感した。

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今、僕は作家としての道も歩み始めている。架空のアニソン制作で物語を想像していく中で、僕は自分の考えた物語をより具体的に世の中へ発信したいのだと気がついたからだ。

架空のアニソンシンガーも「空想アニメソングシンガー」と名称を改め、歌手としての活動は一旦休止することになった(Youtubeチャンネルの発信は継続している)。今は映画の脚本を執筆したり、noteを中心に詩や小説を投稿している。新しい自分の可能性に時間を費やしたくなったのだ。

人前で歌うことをやめてから、もう1年以上になる。しかし今一度、歌手としてのMAGUMAも再開していくための準備を行い始めた。やはり、掲げていた理想や展望を無かったことにすることはできない。やりたいことで生きていくという僕の中のリベラルな精神が、アニソンのど自慢Gにて、去り際に放った水木一郎さんの言葉を思い返させるからだ。

「みんな、夢は諦めちゃダメだよ」

実にストレートで、明快かつ本質をついたメッセージだった。そう、本当に夢を裏切るのは夢ではなく、僕らなのだ。僕らが一方的に夢をなかったことにし、気のせいだったと自分に言い聞かせ無難な道へ逃げてしまう。でも、そんな生き方は正しくない。何せ僕らは、幸せになるために生まれてきたのだから。だからこそ、僕は歌手としての自分を見捨ててはならないと思ったのだ。授かった能力を錆び付かせてはならないと悟ったのだ。

たった一人でもいい。僕の歌や音楽、物語によって誰かの人生を好転させたい。そして波及効果でさらに大勢の人の夢が開花できるほどの影響力を持ちたい。

作家と並行して、空想アニメソングシンガー含めた歌手MAGUMAとしても、よりクリエイティブで生産性のある活動をしていきたいと思う。

まだまだ名もないアーティストのひとりだが、どうか引き続き、MAGUMAを応援していただけると幸いだ。上質な楽曲作りを生の現場やYoutubeで発信していけるよう、僕に寄り添って支援してくださるスポンサーも募集している。Youtubeでは懐メロのカバーやオリジナルソングまで、歌をメインとして発信活動を続けているので、チャンネル登録・拡散もお願い申し上げる。

お願い事ばかりだが、これも掲げている展望「誰かの人生を幸福へ導くこと」を実現するためだと思い、どうかその力を僕に委ねてほしい。相変わらず偏屈で不器用で根暗だが、夢に挑み幸せになる権利は僕にだってある。そして、この権利はあなたにだってある。

今すぐ地図を広げて共に理想を目指し、新世界の太陽を拝もう。それがまた、誰かに希望を与える物語となるのだから。

「歌手としての展望」を最後まで読んでくださりありがとう。次回の夢語りもお楽しみに。

それではまた。

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