筆者の評論

本「プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる」読書レビュー


尾原 和啓 (著)「プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる」を読了したため、レビューしていく。なお、僕のレビューは、思考の整理整頓と個人的に感銘を受けたポイントを押さえていくものなので、本の要約記事ではないことをご理解いただければ幸いだ。

完璧な人間なんていない。なんて言葉は随分昔から言われていたような気がするが、現代では、そんな完璧ではないポイントに価値がつき始めたようだ。アウトプットした商品ではなく、アウトプットに至るまでにあるプロセスにお金を払う人間が増えているからだ。人検索の時代と誰かが言い始めてから数年経つが、僕らは物を買うとき、どんな商品か?よりも、誰が作って売っている商品かに着目するようになった。作り手の理念が込められた物語のことだ。

コンテンツには必ず背景がある。誕生するまでに数々の試行錯誤や出会いと別れがあり、ようやく一つの形として世に解き放たれるわけだ。物語とは、何も映画やドラマの中だけの話ではない。人それぞれの人生経験だって立派な物語である。広告のキャッチコピーなどは、そういった企業の物語を上手くまとめて打ち出しているものが多い。しかし、僕らは長らく結果のみに注目し、コンテンツにお金を払い続けてきた。本当は、買う前に物語によって心を揺さぶられていたことに気がついていなかったのだ。

特に日本人は、努力は人に見せるものではないと直向きに創作活動に打ち込んでいく職人気質な人種。確かに、極め抜かれた作品は感動するものばかりだろう。だが、いち顧客目線で考えてみると、制作過程に魅力を感じることも事実だ。いかにして、そのコンテンツが誕生したのか?いかにして、そのコンテンツが制作されていくのかに興味が湧いている。僕らは、裏側をこの目で見れるものなら見てみたいと、今まで知らないうちに好奇心をくすぐられ続けてきた。映画のメイキング映像を観る気持ちと同じだ。裏側が商品となる「プロセスエコノミー」がもてはやされ始めたのは、Youtubeが現れ、気軽に情報発信が可能となった今において、くすぐられ続けてきた好奇心が爆発した結果なのではなかろうか。

100%ではない商品を見せるのは恥ずかしいし、何よりもプライドが許さない。気持ちはよくわかるが、昨今のビジネスにおいても、未完成の段階でアイデアや作品を公開し、後から肉付けをしていく現場がほとんどだ。なぜなら、その方がスピーディーに着実な成長路線を築いていけるからだ。一度完成してしまったものを、後から作り直すことは非常に困難である。であるならば、未完でもいいからまずは出してみて、足りないところを補填して行った方が効率がいいということだ。

成長過程に価値がつくのは、おそらく”一緒に作り上げる”という没入感を得られるところに価値があるからだと個人的に思っている。映画を観る上でも、僕らは登場人物に感情移入し、擬似体験することで興奮と熱狂を体感する。人は勝ち馬に乗りたがるが、何よりも、自分が体験できないようなことをダイレクトに感じさせてくれるコンテンツに心揺さぶられる生き物である。裏側を知れば、必然的に表の価値も相対的に向上し、作り手とコンテンツ双方が愛される活動を実現させることができる。今まで誰しもプライドで見ることができなかった部分に脚光が当てられ始めたのだ。

本書「プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる」には、創作者としてどのように活動していけばいいのか、非常に参考になる情報がふんだんに詰め込まれている。考え方はもちろん、実例も執筆してくれているため、模範的な教養を得ることもできるだろう。

メジャーデビューが決定した僕も、本書を参考にしながら、デビューするまでのプロセスをコンテンツにして発信していこうと思っている。完璧でなくてもいい。完璧になるまでの僕を楽しんでもらえたら成功なのだ。今だからこそ、読んでいただきたい一冊だ。

それでは、また。

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