広告 筆者の評論

映画「BEAST」鑑賞・レビュー

イドリス・エルバ主演の「BEAST」を観に行ってきた

 

娘二人を持つ父親が

アフリカのサバンナにて

一匹のライオンに襲われるサバイバル作品だ

 

予告編だけを観ていると

化学実験か何かの影響で

通常より凶暴化したライオンが

襲いかかってくるSF作品だと思っていたが

これは大いなる勘違いだった

 

本当のところは、密猟者の仕業によって

群れの仲間を殺され孤立したライオンが

殺戮マシンになり主人公一家を襲うというもの

現実にも在りうる内容だった

 

主人公の父親は妻を病気で亡くしており

娘二人は看取りに立ち会えなかった父に

少しばかり距離を置いていた

 

物語は、そんな家族が

父と母が出会った南アフリカに

到着するところから始まる

 

娘との関係に悩む主人公

友人の助言や励ましを聞きつつも

広大なアフリカの生態系を案内してもらう

 

そこに現れるのが、今作の脅威であるライオンだ

 

捕食するわけでもなく、只々殺戮を繰り返すライオン

通常ならばこのようなことはしないはずだが

そこには”人間”によって招かれた

愚かなが原因があった

 

冒頭でも書いているとおり

密猟者によって群れの仲間を殺されたことで

孤立したライオンの縄張り意識が

異常に敏感になってしまったのだ

 

主人公の父親は、そんなライオンから逃げつつ

家族を守りながら自身の課題と向き合い

葛藤していくこととなる

 

この作品で感動したところは

ライオンが、主人公の心に潜む”闇の象徴”となって表現されていることだ

 

いつも大事な時に、妻や娘のそばにいてやれなかった

家族との約束を守ることができなかった自責の念が

孤立して見境を失ってしまったライオンとリンクしているように見えた

 

どうすれば、娘に許してもらえるのか

どうすれば、娘の考えを理解できるのか

わからないながらも、父親は懸命に距離を縮めようとするが

その行為は空回りしてばかり

 

ただ殺すことでしか生きていけなくなったライオン

ただ一方的に愛情表現を繰り返す主人公

 

主人公は、自身や娘たちに迫り来る死と直面し

自分が本当に尽くすべき課題と向き合うことになるのだ

 

なんとしても守り抜く

自分の心の闇は、娘たちには関係ない

 

これは、主人公にとって

家族を幸せにするという覚悟の現れだ

最終的には、一匹のライオンとの一騎討ちになるのだが

このクライマックスは、自身の闇に直接対決を挑む

象徴的なシーンとなっていた

 

見事、その勝利に打ち勝った主人公は

父親として、娘の信頼と愛情を勝ち取るのだ

 

個人的に、カメラワークにも心を奪われた

 

すべてではないが

不要なカット割りが少なく

主人公の動作を追うようにワンカットで進んでいく

 

ライオンの襲撃シーンも俯瞰的なカメラワークはなく

主人公を見るもう一人の存在として映像を体感することになる

つまり、自分が襲われているような錯覚に陥るのだ

 

主人公視点ではないが

意識的に自身の目線でその場に根を下ろしているような

そんな没入感を得られる仕上がりになっていた

 

映画の結末は予想できる

しかしそれでも「どうなるんだろう?」と思ってしまう…

大変、臨場感のある素晴らしい映画だった

 

人間の知識は、自分の中にも外部の生命体にも

闇をもたらし牙を剥かせてしまう影響力がある

人はそんな諸刃の剣を持っている存在だと考えさせられた

 

この作品には、立派な社会風刺が盛り込まれている

 

映画「BEAST - ビースト -」

 

是非とも、その目…というより

”その身で”体感してみてほしい

 

イドリス・エルバ

やっぱりセクシーだ

 

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-筆者の評論