筆者の思想

自由で独創的な未来に向かって

僕には夢がある。世界中のクリエイターが僕の考えた物語を利用して自由に作品を発信できる未来の実現だ。

約10年ほど前から、空想アニメソングシリーズという活動を行なっている。アニメのあらすじだけを考えて、主題歌・挿入歌・エンディングテーマを作る試みだ。要するに、どこにも本編が放送されていない作品の曲を作り唄っている。漫画もなければ、小説も存在しない。

発端は、アニメソングシンガーになりたいという願望だった。当時、同じ土俵で戦うよりも自分で勝手にアニメソングを作って名乗った方が良いのではないかと父から提案され、空想アニメソングシリーズが誕生(旧名:架空のアニソンシンガー)。曲から漫画へ。曲からアニメへ。”逆輸入”を狙った大胆な作戦でチャレンジした。アウェイな現場もあれば、独特な世界観に賞賛してくれる現場まで、幅広い反応をいただいた。

基本的に、アニメや漫画には一つ作風があり、一つのイラストがあり一つの音楽がついてくる。でも僕は、この限定的な常識を覆したいと思った。僕の考えた原案(空想アニメソング)を元に、自分なりのイラストやアニメーションを考えて発信。それぞれのクリエイターがたった一つの作品から独自性のある様々な連想を展開してもらいたいと。

例えば、僕の空想アニメソングの中に「焼肉王子」という作品がある。原始時代にタイムスリップした主人公が人類に焼肉を伝える物語の主題歌だ(もちろん本編はない)。焼肉王子(空想アニメソングシリーズ)には明確なデザインの決まりは存在しない。つまり、各クリエイターは焼肉王子という原案を使って、それぞれの焼肉王子を作り上げることができるのだ。自由に使用いただくにあたってある程度の交通整備は必要だが、同じタイトルなのにクリエイターによって全然違う作品を無限に生み出すことができる。

原案に悩む作家はもちろん。腕に自信のあるフリーのアニメーターや漫画家への材料として利用してもらい、能力の発信に役立ててほしい。いつしか僕は、空想アニメソングシリーズを手がけていくうちに、人の役に立つための方法を模索し始めていた。

エンターテインメントで社会に貢献することは難しい。ましてや名もなきアーティストであれば尚更だ。歌にしても映画にしてもブログにしても、社会の役に立っていると誰にでも認識できるレベルに持っていかなければ応援すらされない。本当は音楽でも映画でも本でも、「感情の発散場」として立派に貢献できているのだが、いちいちそこまで分析している人間はいないし。あくまでもエンターテイナー側の言い分に過ぎない。

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世の親が芸能の道を反対する気持ちは僕でもよくわかる。「お金がもらえるのか?」「食っていけるのか?」と心配になるからだ。多くの人間はエンターテインメントがどのような貢献をもたらしてくれているのかわかっていない。役に立っているかわからないものに報酬は与えられるのかと疑問なのだ。社会貢献について、実はアーティスト自体も理解している人は少ない。明確な想いを持って取り組んでいる人。趣味でただ楽しんでいるだけの人。使命と道楽が入り混じっているから線が曖昧となっているからだ。

趣味と仕事、どちらが正しいという話ではない。少なくとも何かの役に立つために取り組んでいるアーティストは向き合わなければならない課題となる。

僕はクリエイター(作詞家・小説家・原案者)として、他のクリエイターの役に立つポジションに就きたいと思った。ストーリテラーとしてクリエイターの刺激となるような案を提供できれば(そのクリエイターの頑張り次第だが)必然的に幅広い顧客へエンターテインメントを発信できる。もともと、自分の頭の中にある物語を観てほしいと願っていた身としては本望だ。

提供する際は過度な縛りは設けず、使用するクリエイターの才覚に委ねたい。でなければ独創的な未来を目指す意味がない。一人として同じ人間がいないように、十人十色の世界がそこにあるからだ。そもそも創作活動は自由なものでなければ面白くない。僕もそうだが、彼ら彼女らの想像力を表に出せない世界はあってはならないと思っている。だからこそ、僕がキッカケとなる行動を起こしたいのだ。

言うは易く行うは難しだが、人前で夢を語る機会がないため備忘録としてここで綴っておこうと思った次第だ。

テクノロジーが時代の進化を促進させているが、この世には変わらない価値も多く存在する。結局のところ人類はベーシックな生き方が性に合っているのだ。必ず原点に回帰するだろう。激動の流れの中においても、僕は自分自身が最大の資産であることを胸に刻み込み、誇りを持って物語を綴り続けようと思う。

僕は未来の世界で、あなたと共にエンターテイメントを作りたいと願っている。何者でもない僕の言葉は響かないかもしれないが、想いは本物だ。夢は決して裏切ることはない。あとは僕らが夢に対して誠実さを見せるだけなのだ。思考は現実化する。今日のこの記事が、僕の地図に新たな旅路を示すだろう。

自由で独創的な未来に向かって。

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