ガイア理論に基づく生き方

地球そのものが生きた生命体だとする説「ガイア理論」がとても興味深い。僕ら生命体と無生物環境が互いに働きかけることで、地球という一つの有機生命体のバランスを保っているという話だ。

僕ら人間の体内に例えるとわかりやすい。人気となっている「はたらく細胞」という漫画・アニメーションがあるが、あれがまさにガイア理論を例えたわかりやすい作品だ。ひとりの人間の体内にいる無数の細胞を擬人化し、それぞれ分野ごとに各仕事環境が用意され、宿主である体に起こる様々な現象に対処すべく、各エキスパートたちが現場に赴き職務を全うするという作品である。

はたらく細胞を軸を考えてみると、僕らはまさに、地球という宿主の中ではたらく細胞のひとつだろう。その他動植物も然り、超自然の名の下に誕生した生命体や無機物はすべて、この地球の均衡を保つために存在しているのだ。

しかし残念ながら、人間は細胞という概念から逸脱し、もはやウイルスとして機能し始めているように思える。際さん取り沙汰さている環境汚染。地球温暖化現象などがそのひとつだろう。テクノロジーの進化を追い求めるがあまりに、もとより地球にあった超自然（良い細胞）たちを犠牲にし、人工的な物質を量産し続けている。その科学の結晶のひとつであるパソコンを使用して仕事をしている僕が言えた立場ではないのかもしれないが、失くす必要のなかったものを犠牲する権利を我々は持っているのか些か疑問を感じる次第である。

ガイア理論を知り、地球をひとつの有機生命体として考えるようになってから、雨や地震などの自然災害に抗うような気概はもう持てなくなってしまった。これらの現象は、体調不良を起こした体を正常な状態に近づけるための生理現象に過ぎないからだ。当然、僕らの体の中でも同じような現象は度々起こっている。不純物を体内から外に出すためにくしゃみや鼻水が出てくるし、風邪などの発熱も生理現象のひとつだ。

人間にとっては抗いきれない自然災害は、愛する人含める大切な存在を失う危険性を秘めた脅威的な現象に変わりはないかもしれないが、考え方次第では、それらの現象は「仕方のないこと」と捉えることもできてしまう。すべては、僕らがウイルスとして機能し始めたことが要因となっている可能性もあり、いわばツケの清算を行っているようなものだからである。

今は火星移住などの、地球外に新たな拠点を置くことにばかり注力している傾向があるが、僕は今一度、地球という宿主を愛し、整えてあげることにベストを尽くした方がいいと思っている。使い捨ての駒のように扱っていい生命などこの世に存在しないからだ。僕らが生きているのも。こうして思考を巡らせることができているのも。すべて、地球という生命があるからこそなのだ。

平和への願い。個人の願い。僕らが神という存在に信仰しているのならば尚更だろう。
なぜなら、地球そのものが信仰している神そのものなのかもしれないからだ。

ひとつひとつの命はちっぽけなものかもしれないが、思考を巡らせることができる恩恵を授かった人間であれば、たったひとりでも地球について考え行動することで大勢を変化に導くことができると信じている。

あなたはどう思いますか？

それでは、また。