筆者の小説・詩

詩「雨が好き」

雨粒どもを凌ぐための

いまだに進化のない原始的な道具を

いつまで使い続けるのだろう

雨なんか嫌いだ

人は皆そう言う

己の気分を害すからと

人は皆そう言う

だが私は雨が好きだ

この上なく雨が好きだ

正確に言えば

好きになることができた

なぜなら

空よりもたらされた無数の水滴を受け

喜ぶ連中の声が聞こえるからだ

時には強風の中で

時には雷鳴の中で

一滴一滴

地面に落ちるその音の中から

彼らの宴が聞こえるからだ

喉の渇きを潤せて

気持ちいいことこの上ない

力の源たくわえて

気持ちいいことこの上ない

声なき声の喜びを

耳を澄ませて聞くことで

雨の見方も変わるだろう

世界の景色も変わるだろう

だから私は雨が好きだ

彼らの喜ぶ雨が好きだ

-筆者の小説・詩