今年のMAGUMAを二文字で表すならば、間違いなく「素地」という言葉が相応しいだろう。何の捻りもない二文字だが、これには僕にとって大きな意義が含まれている。なぜなら、2023年は素地=ありのままの自分を見つめ直す時間を設けられたことで、これから挑戦すべき事柄が明確になってきたからである。
良くも悪くも、これまでの歌手・作家としての自分を、表面上のパッケージングされたイメージの中でしか見れていなかった。机の上にすべてを並べなければ、不要なものが何かわからないのと同じで、自分にとって何が必要でいらないものかを正確に判断できていなかったのだ。それは、創作者にとってもっとも大切なものであったり、人として大切なものであったり、学び方の重要性であったりと様々だ。やれることを”やらなければならない”と躍起になって取り組んでいたがために、記憶に残さなければならない上質な情報を疎かにしてしまっていた。
そこで、僕が自分の中で「成功していた」時期を思い返してみた。腕のある数%の社員は、失敗も含め、成功したことについても内省…つまり、振り返る時間を作っていると聞く。なぜ、あの挑戦は成功したのか?その記憶に今後の成功に役立つヒントが隠されているのかもしれないと思った。
まず、具体性のある行動をしていたことがあげられる。コンサートの集客に向けたダイレクトメール、またはフライヤー配りなど呼び掛け。目標の日から逆算して計画を立て、確実に一つ一つ実行に移していたこと。何よりも、大きな挑戦を達成した後も、そこで終わりにせず、次なる課題を掲げ周知していたことなど。当たり前のことを当たり前として手を打っていたことが多かった。もちろん、今あげたような行動をしていた時期は、比較的安定して歌手活動を継続できていたように思える。つまり、自分の素地を受け入れ、対策を打つことができていたのだ。
僕らはできない理由ばかりを探してしまう。しかし、できないからといって他に方法がないというわけでもない。これが無理ならあれをやる。臨機応変にルートを変えることが近道となることを知らないのだ。着実に手を打っていた頃の僕は、なりたい自分になるために計画を練る努力を拒まなかった。だからこそ、大きくはなくとも小さな成功を積み重ねることができていたのだ。
今が失敗していると言っているわけではない。エジソンの名言を借りるならば、「1万通りの上手くいかない方法を見つけただけ」だ。
夢を追っているとき、どう動けば効率よく理想へと近づくことができるかをよく考えている。だが、アーティストとして効率化ばかりを求めてしまうと、肝心な心の部分が欠如し、ステージや創作物へと反映されてしまう。お客様は馬鹿ではない。むしろ、お客様の方が僕ら創作者の変化を敏感に感じることができると思っている。僕は効率化を求めすぎるがあまり、ストレートにメッセージを発信することを忘れてしまっていた。創作においても、日常生活においても、僕らが最終的に帰ってくる場所はシンプルな生き方だ。好きならば好きと伝えればいいし、嫌いならば嫌いと言えばいい。変に言葉を装飾し、格好をつけようと抽象的な表現に走ってばかりいるからややこしくなるのだ。
「シンプルに堅実に、以前の自分のような思考に帰りなさい」。
2023年は、僕にただしき場所への帰郷を促す年だった。大きくなくとも、小さな成功を再び積み重ねていき、やがて花開かせる日まで直向きに努力をしていく。そのために、マンスリーコンサートも蘇らせた。やはり、実戦に勝るアウトプット方法はない。思考を巡らせて、なりたい自分になるための計画づくりを。そして、どうすればファンの皆様にメッセージが伝わるか、試行錯誤を繰り返した上質なコンテンツ創作を心がけて…僕は2023年に別れを告げ、新たな年を迎える準備をしようと思う。
今日が終われば、2024年が訪れる。今年の僕は死に、明日からはまた新しいMAGUMAとして生まれてくるのだ。お互いに良い最期を迎えようではないか。
それでは皆様、さようなら。
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