真似から始まるオリジナリティ

TikTokを観ていると、時代の流行り廃りがコンテンツなって可視化されていることがよくわかる。流行っている構成方法は、プロ・素人に限らず皆がこぞって真似をして発信しているからだ。

創作活動をしていると、どうしても僕らはオリジナリティを出そうとして躍起になり、誰かの真似をすることに拒否反応を示してしまう。自分ならではの尖った作品でなければ出してはいけないといったような思想は、うちに眠っている創造性を束縛してしまう行為で、これは非常にもったいないことだ。まずよく考えなければならないのは、どれだけの有名人であろうとも、そのアーティストも必ず誰かしらに影響を受けて作品づくりをしていると言うこと。人は他人の個性を完全に真似をすることはできない。真似をしきれなかった部分に、あなたや僕自身が秘めているオリジナリティがエッセンスとして抽出され、やがては少量だったオリジナリティで満たされていくようになる。

真似・パクリという言葉は悪い意味で使われがちだが、模範となる媒体を参考にしてスタートを切っていくのはとても大切なことだ。数%しか見つかっていないオリジナリティを全面に押し出すまでには相当な時間がかかる。その間に発信を怠っていては、誰にも見つけてもらうことはできないし、自分で自分の可能性を発掘することもできず、結局のところ損をしてしまう事態を招くことになるのだ。

創作活動に限らず、どうせこの世は何かしらの影響を受けて成り立っている社会なのだから、最初は思いのままに作って発信し数を打って行った方が幾分か効率がいいように思える。まずは量をこなして、後から質を追求していけばいい。

ちなみに、みんながやっているからあえて同じことをしない行為は、行動経済学では「スノップ効果」という名称で言われているらしい。

それでは、また。