アウトプット時代で生き残るために

AI時代において、0から1を生み出すアウトプット型の働き方がますます求められるようになってきたようだ。なぜなら、インプット型（与えられた仕事を淡々とこなす）仕事は、AIですべて完結できるようになるからだ。現に、一昔前から工場の労働環境はほとんどが機械にとって代わられ、今や創造力を使うアーティスティックな業務においても、AIが脅威的な技術をもって対応できるようになっている。時代の進化に感動する反面、いやはや、どうしたものかと知恵を絞り尽くす毎日を送らざるを得なくなった。

YoutubeやSNSの到来により、僕らは情報をただただインプットするだけの受動的な姿勢に促されてしまったが、上述したような受け身の仕事はすべてAIができてしまうため、必然的に職を失い能力に目覚める機会さえ失っていくことになる。これからの……というより今この瞬間からの時代に必要なのは、能動的スタイルをもって無から有を生み出していく技術を磨いていくことに他ならない。

バズっている教育系の動画もベストセラーとなっている啓発・ビジネス本も、読んで観ているだけでは何の効果もない。脳の仕組み的にも、収穫した知識は文字なり口頭で伝えるなりしてアウトプットしていかなければ、自分の血肉となって記憶に定着することもないのだ。

僕らは遠い昔。自転車に乗れるようになるまで何度も何度も練習を積み重ねてきたはずだ。その結果。時を経た今でも、少し乗りさえすればすぐに当時の感覚を取り戻し自転車で駆け抜けることができる。まさに、過去の自分が何度も自転車に乗るためのアウトプットを重ねたからであり、その情報が脳の然るべき記憶の保存庫に格納されていたからだ。

僕が役者として活動している時も、家でひとり黙々と声を出しながら台詞を暗記するより、実際に稽古場で演技をしたあとの方が遥かに脳へのインプット率が高かった。歌であっても同じで、本番のステージで歌うと記憶のスピードは格段に上昇する。要するに、すべてはアウトプットをすることで、自身の能力を磨き上げることができる上に、知識を確かな形で長期的に脳内に保存することができる。やがてその知識は自分の見識へと昇華し、あらゆる事柄において役にたつ創造力も養うことができるようになるだろう。

僕がこうして毎日ブログを執筆しているのも、仕入れた情報や知識を少しでも僕自身の頭の中に保存できるようにしているからであり、ただ闇雲に文章を書き殴っているからではない。文章の書き方を実践しつつ、誰かしらの役に立つ情報も提供し、最終的に自分のためになるように、書くことによってアウトプットを重ねている。

もう見ているだけの自分でいることから卒業すること。情報過多となっている今だからこそ、その溢れんばかりの情報を自分のものにし、エネルギーに変換して発散していくことこそ、幸福で有意義な人生を歩むために必要な生き方だと思っている。

読んだ本。人との会話。YoutubeやSNS。何か「これだ！」と思うようなためになる学びを得たのなら、それを自分だけのものにせず、誰かに伝えるためのアウトプットを忘れないようにしよう。そうすれば、やがてはみんなから求められる賢者のような存在になれるかもしれない。

それでは、また。