性懲りも無く、僕らは「今年は去年よりも暑い」
と、口を揃えて言っている。
去年の暑さを正確に覚えていないにも関わらず
さも夏のことをよく知っているかのように話している。
そう言っておけば
「なんとなく地球の変化を気にかけている人間」
に見えそうだからという、どこかしら自分のブランディングに
繋げようとしている節があるのかもしれない。
こんなことで格好がつくはずがないのは百も承知なのだが
それでもやめられないのが人間の性…なのかどうなのかは定かではない。
しかし、令和4年の夏は一味違うと、僕は思っている。
この暑さには、何か攻撃的なものを感じる。
日中の太陽による刺激はあまりにも強烈で
長時間、外にいると気が狂いそうなほど過酷な環境だ。
この鋭利な太陽光線は、人の肌を最も簡単に焼き尽くしてしまいそうである。
サマーバケーションどころの騒ぎではないが
こんな最中でもパーリーピーポー達は夏と恋愛を謳歌している。
彼ら彼女らの勇猛果敢な若さと情熱は
唯一この酷暑を凌ぐものなのかもしれない。
そんな僕は、冷房のある時、ない時を
行ったり来たりしている。
自然との調和を重んじようとしている身として
このテクノロジーに頼り切ったふしだらな生活を改善せねばと
日々精進しながら文明の力に万歳を繰り返しているのだ。
寒暖差の激しい時間を過ごしながら
程よく鼻を啜りつつ
今日もまた「今年の夏は暑いな」と
格好つけて話すのだった。
熱中症にはお気をつけて。