行動を「見える化」しないリーダーは信用を失う

仕事と情熱が比例していない現場こそ、人間関係のいざこざが後をたたない。かといって、皆が皆、同じ比率で情熱と視野の広さを持っていたらいいのかと言われれば、実はそういうわけにもいかないという話を聞いたことがある。人間それぞれ特有の価値観があるため、なかなか同じ理念のもと働くことは難しいからかもしれないが、ある程度寄り添い合う気持ちをお互いにお持ち合わせていなければチームとして機能させることは至難の業だろう。いい意味で、諦めが肝心な部分も多いのかもしれない。

ただ、実際にこの目で見て感じて分かったことは、先人を切らないリーダーは信用されないということだ。

聞かれた疑問に対して対策案は出すもののサポートはしてくれない。部下に具体的な助け舟を出さないなどが例としてあげられる。何よりも問題となっているのは、リーダーが「いったい何をしているのかわからない」ところにある。察すれば、おそらく部下にはできないような様々な業務をこなしているのかもしれないが、どっこい、そこまで考えてくれる人間などほとんどいない。そのために「リーダーはサボっている」「面倒ごとはすべて部下に丸投げする」とあらぬ誤解を招き、上述したように信頼を失う羽目となるのだ。まぁ、実際に部下たちの不信が的中していたら話は別だが。

あらゆるものの見える化が手軽になってきた今は、仕事が見えないことに不信感を抱く人が多いように思える。それも相まって、実際に行っているプロジェクトの進捗具合をまめに報告するチームには多くの信頼が集まっている。社会規模においても小さなチーム規模においてもその要素は変わらない。メンバーひとりひとりがどのように動いているのか可視化することで、成果を上げてくれている人にはそれ相応の報酬を与えられるし、貢献できていない人には対策を打つことができるからだ。

特に、トップに立つリーダーは目立つ分。中身の不透明さも悪目立ちしてしまう。だからこそ、自らが率先して行動・努力をしている姿をどんどん見せていかなければ、誰もついてこなくなることは明白だろう。

位が高くなるということは、庶民以上に責任ある行動をアピールしなければならない。地位を築くということは、それだけ背負うリスクも大きくなるということなのかもしれない。

大いなる力には、大いなる責任が伴う。

それでは、また。