先日のマンスリーコンサートにて、教員を目指しているファンと交流する機会があった。どんな先生になりたいのか。どんな科目を教えたいのか。僕が生徒だったら、こんな授業を受けたいし、その授業を子供たちにやってあげてほしい等々。現実的な話から理想論まで楽しくお話しさせていただいた。
その最中。先生という役職について話していると、「あ、僕って教師にこういうところを求めていたんだ」と、なんとなく腑に落ちるところがあったので、共有させていただこうと思う。
僕やあなたが、学生時代に覚えていることはなんだろうか?多くの方は友人や好きだった女性との青春など、楽しい思い出ばかりかもしれない。が、残念ながら僕は中学時代の登校拒否の思い出が脳裏から離れないままなので、正直なところ、小中高専門学校で楽しかった思い出は皆無だ。だが、それでも唯一覚えていることがある。それが、小中学生時代にお世話になった恩師の存在である。
昔から、僕は言葉も遅くて孤立し、意見の言えない子供だった。小学生時代では、そんな僕をいつも心配してくれた一人の先生がいて、僕の苦手分野を見抜き、終わりの会などでの総括的な部分を僕に指名し続けてくれていた。当初は当てられ続けてすごく嫌な思いをしていたが、後からその行為が僕のことを思っての配慮だったことを知る。その先生は、生徒と熱く向き合い続けた「THE・先生」という呼び名に相応しい人だった。
中学時代で登校拒否をした時。不登校中に僕のクラスの担任になった先生が、会ったこともない僕のために毎日家まで通ってくれて話を聞いてくれた。会いたくない時も無理強いせず、それでいて明るく陽気に、僕のことを気にかけてくれていたのだ。不登校になってから、授業には一度も出なかったのに、なぜかその先生とは深い繋がりを感じられるほど、僕に寄り添ってくれていた。
ちなみに、以上の二人の先生は、歌手としての僕を学校に仕事で呼んでくれたりなど、今でもお付き合いがある。心が脆すぎたあの頃の僕を知る数少ない恩人である。
先生に求めていることはなんだろうか?授業の質か?それとも効率的な学びだろうか?僕が教員を目指しているファンとお話ししている時、学生時代で覚えている授業はなんだったのか思いを巡らせた。しかし、残念ながら授業内容はさっぱり記憶の彼方まで消え去っている。でも、確かに覚えていることはあった。それは、「先生に大切に扱われていた」という実感だ。
どんなに苦しい時でも楽しい時であっても、間違ったことをした僕を怒り、やり遂げた時は褒めてくれたた先生の記憶だけは、感覚的に心の中に残っていたのだ。僕らは義務教育で社交性を学んでいく。だが、そんな型にハマった生き方など初めから求めていない。生まれた時から望んでいることはただ一つ。それは、幸せになることだけだ。僕を助けてくれた二人の先生は、間違いなく僕を幸せへと導くために尽力してくれた救世主だった。そこに授業の質なんて関係ない。ただ、生徒のためにエネルギーを注いでくれる存在がいたことが僕の救いだった。
学業は大事だ。だが、本当に大事なのは、どれだけ生徒たちが大切に扱ってもらえるか。そこに尽きる。授業なんて覚えていなくたって、僕らは大切にしてくれた記憶だけは覚え続けられるのだ。その記憶が、人生の指針となり、勇気となり、教訓となっていく。読み書き算盤だけが学校ではないのだ。
生徒として先生に何を求めていたのかが明確になってきた僕は、「生徒を大切にできる先生になってほしい」と、そのファンの一人に話した。先生と生徒とはいえど、同じ人間である。小さな環境で数年間ともに生きていく仲間なのだ。だからこそ、常に寄り添いながら、幸せに生きるために協力しあって歩んでいくことが大切なのだろう。
あなたは先生に何を求めているだろうか?
それでは、また。
3月24日「MAGUMAマンスリーコンサート Vol.3」
場所:yomihana~宿花~
神戸市中央区加納町4-7-26藤嶋ビルB1
時間:開場 17:30 開演 18:00
料金:3500円(1ドリンク代込み)
限定20名様まで。
※コンサート後も宿花でご飲食可能です。
※食べ物のみ持ち込みOK。
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