僕の実力は誰かの実力の上に成り立っている

自分の実力は、他者の実力の上に成り立っているものである。と、僕は思う。なぜなら、人は誰かしらの影響を受けながら、独自性を編み出して個性を磨いていくからだ。

この世の中、完全に一人で生きていくことは不可能だ。一人で生きるとはいっても、僕らは誰かしらの考えた技術やアイデアを駆使して生きていくことになるのだし、結局のところは誰かの力に頼っていることになる。僕ら一人ひとりの行動は指で水面に触れた時に広がる波紋の如く、必ず広がりを見せて誰かに伝染していくものだと思っている。だからこそ、それが友を呼び、時に強力な仲間として味方になってくれることもある。反面、自身の性質が限りなく悪に近い場合は、同様に悪に近い存在ばかりが周囲に集まってくることになるだろう。

僕は自分の実力を誇ることもあるが、もちろん場合によっては嘆いてしまうこともある。僕の歌や映画が必ずしも万人に受けることはまずないし、当たり前のことなのでさほど気にすることではないのかもしれないが、自分の力というものにひどく意識を向けてしまうことは少々危険だと思っている。なぜなら人が成功した時、自分だけの実力でのしあがったと言う人に疑問を抱いているからだ。

最初にも書いた通り、僕らは誰かしらの影響を受けて自分磨きをしていく。最初は真似から始める人も多いことだろう。それはどの分野にも共通して言えるお話だ。だからこそ、僕やあなたが今持っている実力は、他者の実力の上に成り立っていることを把握していなければならない。でなければ、僕らはたちまち周囲への感謝を忘れ、自分だけでその成功を手に入れたと勘違いしてしまうからだ。

僕の出会いも、成功も、失敗も、何もかも。それは僕だけでは手に入れられなかったピースであり、その時々に協力してくれた人たちの努力の賜なのだ。だから僕はいつもその人たちに感謝しているし、その想いがあるからこそ、調子に乗ってハメをはずしすぎないように気をつけることができている。この先、より多くの成功を掴み取ることを目標に活動しているが、その際に深く心に刻み込んでいるのが、以上のような断固たる思想・理念である。

人生というパズルのピースは、決して自分ひとりでは集めきれないものなのだ。その本質に気がつけなければ、本当の意味で独りぼっちとなり、それこそ、行動を起こせないほどの絶望感に苛まれることになる。

その実力は、いったい誰によってもたらされたものなのか、今一度考え直してもいいのかもしれない。そんなお話でした。

それでは、また。