人の失敗が面白いあなたへ

人間は共感力がものを言う。と言っても過言ではないほど、誰かが悲しめば共に悲しみ、喜べば共に喜ぶといった感情の共有は、より強い絆を生むことへつながる。だが、残念ながら人間の中には、人の失敗が面白くてたまらない存在もそれなりにいるようだ。

もちろん、身近にそういった人間が数人いるために、思うところがあってこのような記事を執筆しているのだが、別段、特定の人物を攻撃したいわけではなく、ただ単に、自分自身への自戒の念を込めるという意味でも書き記しておこうと思い書いている次第だ。なので、あまり深読みしないでさっくり読んでもらえると幸いだ。

僕らは、どうしてか「人から嫌われるための努力」ばかりをしがちではないだろうか。冒頭でも書いたような、人の失敗で笑う行為や、挨拶をしないこと、陰口を叩くことなどが「嫌われる努力」にあたる。その多くは自身の気分だけで生じている事象であって、ごく自然的に発生しているものではない。すべては、その人自身が選んでそのような行動をとっているということだ。では何故に、わざわざ嫌われる努力という愚かな選択をしてしまうのか？それは、その人々が抱える固有の劣等感が影響を及ぼしているからだと考えられる。

例えば身近な例で言うと、自分より実績も実力もあるアーティストに対して弄りを通り越した罵詈雑言を放つアーティストがいたが、あれもまさに劣等感から生まれた負の現象に過ぎない。自分には持っていないものを持っているからという悔しさが招いた言動だろう。劣っている自分を認めたくないが故に、本能的にプライドを守ろうとして選んだ手段。言わば防衛反応だ。

多くの人は自身の精神を理解せず、そしてコントロールできていないために、そういった反射的に発動する防衛反応に気づかず感情に振り回されている。要するに、無意識で相手に不快な思いを与え続けているのだ。

努力は継続していれば次第にそれは努力ではなくなり、呼吸と同じく当たり前の習慣となる。つまるところ、嫌われる努力を継続している人にとっては、相手を不愉快にさせる言動そのものが日常化してしまっているため、本人も愚かな行為だと気づくこともなく、ただ泥沼に両足を突っ込んでしまっている状態になっている。教訓として、しっかり身についていないのだ。

自分たちを棚に上げて相手の失敗を笑う人間を見ているととても哀れに思える。当人たちも然程変わらない失敗を常に経験しているにも関わらず、どうしてか相手のことになるとおかしくてたまらなくなるのだ。ちなみに一番タチが悪いのは、自分が失敗したときに笑われると腹が立つ者が少なからず存在することだ。こういった絶望的な性格を有した存在こそ、自分の行いをまったく理解できておらず、脳の舵取りができていない典型的な例だろう。

水面に広がっていく波紋のごとく、僕らの発した一言や動かした手足一つは波動となって世界中に影響を与えていく。大げさに聞こえるかもしれないが、人一人の言動には、世界を変えうる可能性が秘めているのだ。つまり何が言いたいのかというと、その力を良きエネルギーとして変換することもできると言うことなのだ。

今まで嫌われる努力を選択してきたのなら、今度は好かれる努力を選択する。たったこれだけのことで、あなたに気づかれずに距離を置かれていた人脈も戻り、もっとよくすればさらなる人脈へと広がっていくだろう。そのためにも、まずは人間の性質や自分自身について深く分析していくことをお勧めする。相手を知り自分を知れば、あらゆる変化に直面したとき、どのような言動で行けば切り抜けられるかを判断できるようになっていく。つまり、人生の選択権は常に自分にあることを真の意味で理解できるようになるのだ。

僕は毎晩、就寝前に15分どの瞑想をやっているのだが、自分の意思を強固なものとするためには、瞑想を取り入れることも悪くはないだろう。まずは自分が考えている雑念などをじっくり観察してみることで、物事を俯瞰して見ることができるようになり、集中力のUPだけでなく、常に落ち着いた状態で対処していけるようになる。まだまだだが、僕も少しずつ効果を実感できていっているので、是非とも試していただきたい。

生きていたら悔しいこともあるし、腹の立つこともたくさんあるだろう。僕も同じ人間だからその気持ちはよくわかる。実際に、僕も昔は人の失敗でたくさん笑っていたし、機嫌が悪い時は知人に対してあからさまに冷めた態度をとっていたこともあった。だが、仕事においてもプライベートにおいても、そのような嫌われる努力は未来に何の役にも立たない。それは僕も、あなた自身もよくわかっていることなのだ。

気がつくことができたら、あとは行動に移すのみ。その嫌われる努力を、好かれる努力に変換するだけだ。

僕もあなたも、いや、人間はいつまでも発展途上だから、気軽に気長に、自身の成長を追求し続けていこう。そうすれば、誰もが求めている幸せの本質に辿り着くことができるだろう。僕もがんばるから、一緒にがんばろう。

それでは、また。