感謝こそ幸せへの第一歩

ささやかな幸せを感じる瞬間ほど素晴らしいものはない。以前の僕なら、小さな幸せには目もくれず、高望みばかりしては挫折ばかり味わってきた。実際には挫折感など抱くこともなく、もっと気軽なスタンスで挑めるようなことばかりだったのだが、視野狭窄に陥り、些細な喜びまでも見失ってしまっていた。

僕もアーティストである前にひとりの人間であるため、日々、人生哲学を学んで実践を繰り返しながら、どのようにすれば自分の心をコントロールしていけるのか考え続けてきた。その結果が、ようやく実を結び始めているような気がする。環境の変化であったり、付き合う人間の変化であったりと様々な周囲の恩恵があってこそで、これほど感謝の気持ちでいっぱいになることもこれまでなかった。非常に薄情な生き方をしてきたなと、深く反省している。

小さな幸せを感じるゆとりができ始めたのは、やはり「感謝の気持ち」を過剰なまでに抱くようにしてからだ。僕らは日々、何かしらのおかげで命を繋ぎ、喜びを感じることができている。僕が使っているパソコンひとつでさえ、遡れば遡るほど多くの人間や自然の力によって授かった恩恵だと気がつくことができるのだ。その存在を意識すると、次第に感謝の気持ちが湧き上がり、どこか嬉しくありがたい波動に包まれ、幸福を実感できるようになるだろう。

幸せになることは甘えだと思ってしまう人がいるかもしれないが、それは大きな間違いだ。むしろ、僕らは幸せになるために勇気を振り絞らなければならないのだ。幸せを感じる権利もあるし、誰かを幸せにする権利だってある。その権利を行使することは、生きている僕たちに与えられた共通した宿命だ。その最初のステップとして、まずは森羅万象、ありとあらゆる事象に対し感謝の想いを捧げよう。毎日継続することで、その想いは次第に自身の幸福へと直結するものだと気がつくことができる。

僕は自分の体を通して歌手・作家・映画監督・役者として幸せの波動を発信し、より平和で暖かな世界を築いていける一躍を担えるよう、今後も邁進していこうと思う次第である。

だから、まずは僕から率先して感謝の気持ちを伝えようと思う。みんな、生きていてくれてありがとう。生まれてきてくれたありがとう。

それでは、また。