僕は頼み事をするのが苦手だ。相手の顔色を必要以上に伺い、勝手に相手の心境まで予測して作り上げてしまうためである。もちろん、予測している相手の心境は決してポジティブなものではない。
誰しも夢に近づくためのステップを踏む上で、必ず仲間は必要になってくる。仲間を募る上で、理想を語ることも大切だ。言うなれば、願望と情熱こそが相手の心を鷲掴みにする要素で、夢を追う僕らは、仲間やファンの獲得のためにいかにその情熱と願望を発信できるかが生命線だ。こういう世知辛い現実を考えるたびに、僕はよく、ワンピースのルフィを思い出す。
「海賊王に俺はなる!」
主人公のルフィは、世界のどこかにあるひとつなぎの大秘宝”ワンピース”を手に入れて海賊王になることを夢として掲げている。非常にシンプルでわかりやすく、初志貫徹でひたすら夢を口にし続け、その情熱と願望はルフィの行動にはっきりと現れてくる。仲間がほしいときは、目星のつけていた人物に「仲間になれ!」と真っ直ぐに勧誘し、初めはバカにしていた者も、ルフィが結果を出していく姿を見て次第に感化され「こいつなら海賊王になれるかもしれない……」と思い始めるのだ。そうして仲間となり、己の夢とルフィの夢の実現のため、共に航海の旅へと漕ぎ出していくわけである。
ワンピースを読んでいて、かつ、夢を持っているすべての人間は、一度は「ルフィみたいになりたい」と思ったことだろう。筆者も、そのうちの一人であるから気持ちは痛いほどわかる。
だが、十人十色という言葉があるように、僕らは一人ひとり違った性質でできている。ルフィになれる者となれない者。どうしても全員が全員ルフィの真似をすることなんて不可能だ。大事なのは、僕は僕でしかなく、あなたもあなたでしかないということ。成長しなくていいという話ではなく、ルフィの生き方を参考に”あなたならどうするか?”を編み出していくことが秘訣となるだろう。
結局のところ、頼み事ができない人間は、人から頼まれることもない。愛さなければ愛されない原理原則とまったく一緒なのだ。
夢は言葉だけではなく、行動で発信して初めて周知され、感動を呼び起こす。言葉と行動が伴って一貫性が生まれた瞬間。初めて、”協力したい”と思ってもらえる仲間やファンが現れるのだ。ルフィは、夢追い人としての模範的な行動をすべて地で行っているキャラクターなので、参考程度にワンピースを読んでみてもいいかもしれない。
夢を掴み取るのなら、ルフィになれ。
それでは、また。
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