今を全力で生きること

「あの頃はよかったな」なんて思うことはまずない。今が一番の集大成であり、未来に希望を抱いているからだ。

過去を遡れば、当然、あの頃にこうしていれば違った人生があったと思える数々の分岐点がポイントとして脳内に現れる。だが、もし過去に戻れたとしても、僕はその運命を変えることはないだろう。苦しいことはたくさんあったが、その苦しかった時代をなかったことにしてしまうと、出会うはずだった人たちと出会えないかもしれないから。今の自分が完璧かどうか問われれば自信を持ってYesとは言えないが、僕は、今の記憶に残っている大切な思い出を消したいとは思えない。

どんな恥ずかしい過去であろうが、必死に生きようとして選択してきた未来に、僕らは責任を持つべきだと思う。死ぬことよりも、生きることの方がよっぽど難易度の高いゲームだ。今を全力で生きることが、生まれたことに意義を持たせるための責任だと僕は思っている。産んでくれた親に対する責任でもあるし、自分を選んでくれた人生のパートナーに対しての責任もある。生きることを辞めることや、過去をなかったことにする行為は、責任を取ることとかけ離れている。ただ、自分自身から逃げているだけなのだ。

先日、別の記事で運について話したが、この世はすべて結果論で出来上がっている。どれだけ努力しようが、その努力は成功や幸福を保証してくれるものではなく、ただ、ゴールへと辿り着くための確率をミリ単位で上げてくれるだけのもの。要するに、運がなければ努力は実らない。いつ運が味方となってくれてもいいように、僕らは努力を続けるしかないのだ。僕は、今を全力で生きるという本質はここにあると思っている。