監督:ジェームズ・ボビン 主演:イザベラ・モナーの映画「ドーラと一緒に大冒険」を鑑賞したのでレビューしていく。
※僕のレビューはネタバレを含む場合があります。興味のある方のみご一読ください。
冒険家の両親のもと、ジャングルで育った少女ドーラ。ある日、インカの黄金都市パラパタの場所を突き止めた両親は探検へ向かうが、ドーラは同行を許されず都会の学校へ通うことに。都会での暮らしになかなかなじめない中、課外授業で博物館を訪れた彼女は、友人たちと一緒に何者かに誘拐されてしまう。両親の友人だという男アレハンドロに救出されたドーラは、パラパタの秘宝を狙う犯人たちが両親を追っていることを知り、救出へ向かうが……(映画.comより引用)。
映画「ドーラと一緒に大冒険」あらすじ
Netflixでたまたま見つけた作品。ハリウッド映画における冒険ものは基本的に大好物なため、創作の勉強も兼ねて予備知識なしで鑑賞した。
THE冒険物の王道をいく作品で、子供版インディ・ジョーンズといった印象で面白かった。調べてみると、どうやら元々子供向けTVアニメシリーズの劇場版という立ち位置だったらしく、作中で動物が喋ったり、やけにドーラとコミュニケーションを取ったりしている演出があったのにも納得がいった。
コミカルさゆえに一見展開が早いような感覚になるが、冷静に観ていると非常にバランスの取れた進行になっているとわかる。主人公が成長する過程を楽しむのが物語の基本だが、本作はドーラは初めからタカが外れているため、どちらかと言うと脇役たちがドーラに学ぶべき点が多かったように思える。とは言っても、ドーラも人に怒られれば悩むし、ジャングルでの生活に慣れていた分、都会での人間社会に悩みホームシックになる場面もあったりなど、人間らしい一面もしっかり描かれていた。探究家一家の一人娘として、最後は都会の人間社会という名の未開の地を探求するという選択は、ドーラなりの落とし所としてはバッチリの報酬だったのではないか。
だが、ドーラによって周囲の人間が成長・進化をしていくには、脇役たちの欠点があまり強調されていなかったように感じた。観ていてなんとなくわかるところはあるのだが、人物一人ひとりの成長のネックとなっている部分が薄れていることで、最終的に克服して獲得した報酬の目立ち具合が半減してしまっている。都会色に染まってしまったディエーゴなど特に、準主役として欠点と成長を描くべきだったのではないかと思った次第だ。
ただ、何も考えずにスカッとハリウッド映画を楽しみたい人にとってはオススメできる作品だ。
観客に思考させることで感情曲線を刺激する物語も確かに大切だが、根本にあるのは娯楽であることを忘れてはならない。「わからない」「面白くない」は映画を含める物語作品においては御法度だろう。そういう意味では、劇場版「ドーラと一緒に大冒険」は非常にシンプルで素晴らしい映画だったと思う。素直に「冒険っていいな」「楽しそうだな」と思わせてくれたのだから。
それでは、また。
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