人は眠る度に一度死に、朝起きる度に新しく生まれてくる。
一年を締め括る大晦日においても、日々の転生と同じようなものだろう。一日や一年の終わりに過去のことを思い出すのは、死の瞬間に脳内を駆け巡る走馬灯だからだ。
2022年を生きた僕らは、一度この世から去る。
生きていればいいことも悪いこともあるのは当然のこと。今さら今年の身の振り方を後悔したところで仕方のないことかもしれないが、人は教訓を生かすことができる種族だ。学びを未来へ継承し、意義のある人生を歩んでいきたい。
歌手としての活動を棚の上に置いてから、MAGUMAとしての人生観は随分と変わった。物事を哲学的に受け入れるようになり、生命の根源と存分に向き合うようになったのだ。だからと言って、哲学者や思想家、科学者のような知識量は持ち合わせていない。しかし、僕の思考は間違いなく現在の作家の道へ有効利用できている。
人生は物語である。
2022年に誕生したMAGUMAは、ストーリーテラーとしての在り方を学んだ。映画の脚本や監督まで経験し、配信スタッフとして他アーティストのパフォーマンスを客観的に観察できる立場にもなれた。
エンターテインメントとは何か。人間の役割とは何なのか。答えのない問いに応え続けた2022年。確信を持って言えるのは、本当に大切な価値は常に自分の中に存在していたと気づけたことだ。エゴによって視界が曇っていた自分とはおさらばし、今に在る幸福を手にすることができたこと。これこそが、2022年で得た最上級の報酬と言っても過言ではない。
波乱万丈には程遠いかもしれないが、今回の転生は僕にとって怒涛の一年であった。2022年のMAGUMAを誇らしく想い、悔いなく2023何を迎えることができる。
僕の物語の主人公は、僕だ。僕の世界を演出してくれたすべての登場人物に感謝の言葉を送りたい。ありがとう。ありがとう。ありがとう。
せっかくの締めくくりに長々と綴るのももったいないので、残りの生を堪能すべく、この辺りで簡潔に書き終えようと思う。今年もありがとう。また来年、あなた方に会えることを楽しみにしている。
よし、死のう。
それではみなさん、さようなら。