夏の生命を収穫してきた。
5月に植えた夏野菜が、力一杯育ったようだ。
Youtubeでも公開しているが、僕は田舎の畑で実験的に野菜を育てている。
本当に体にいい健康的な食事、そして来る食糧難に備えて
完全無農薬の栽培を心がけている。
今や、何が入っているかわからない食べ物を摂り続けている僕ら
一気にやめることは難しいけれど、でも、少しずつでも変えていきたい。
そんな思いで始めたオーガニック農業である。
農業のエキスパートの意見を聞きながら
のんびりとノウハウを学び
遥か昔から根付いている大自然の生命力と直に向き合う。
自然との触れ合いこそが、最大のストレス発散だと
肌身で実感しているところだ。
収穫が遅れたせいか、育ち過ぎた野菜や
虫に食べられてしまった野菜も多くあった。
一昔前の自分であれば、これを「もったいない」と切り捨てていたかもしれない。
農業従事者の方に怒られても仕方のない有様だった。
しかし僕は、昔のようにこの状態を「もったいない」と思えなくなっていた。
地面に落ちてしまったトマト、そして取り損じたトウモロコシ。
そこには生きることだけを考えた命が群がっていた。
僕が植え、育てた野菜を食べ、生きている生命がいたのだ。
僕はその光景を見て、怒りではなく、感動の2文字が浮かんだ。
これこそが、地球との共存なのではないか?と。
僕たちだって、生きるために命をいただいている。
彼らだって、生きるために同じことをしているだけだ。
食べるものがなくなるのはもちろん困る、困るのだが
僕の感じた感動は、目の前で生命の循環を垣間見れたことによるものに他ならない。
この世に、無駄なものはないのかもしれない。
僕らが勝手に「無駄だ」と決めていただけなのかもしれない。
農ある生活とは、心の農(みのり)を含めたものなのだと学んだ。
「世界はこの手にある、大切にしなければ」
「アベンジャーズ/エンドゲーム」キャプテン・アメリカの言葉が脳裏に過ぎる。
すべては僕ら一人ひとりの”選択”にかかっている。
本当の意味の地球との共存を、今一度、深く考えていこうと思った。
いただいた野菜は、しっかり自身の血と肉にし
再びこの星との問答に心躍らせていこう。
いつか、自然の一部になるその時まで。