がんばれない夢ならば、それは夢ではないというお話

自分が「がんばれる場所を探す努力」はできているだろうか？どれだけ好きなことであっても、そこに苦難は必ずついてくる。しかし、好きなことであるからこそ、その苦難を乗り越えるための努力に惜しみなく時間を費やすことができるもの。だが、多くの人は「苦難＝嫌なこと」と同一視してしまっているため、壁が立ちはだかると早々に退散し、また別の「好きなこと」を探しに行く。好きなことなのだから、嫌なことなんてあるはずがない。そういう勘違いが、あらゆる可能性を阻害していることを知らなければ、望んでいる次元に到達することは不可能だろう。

適職を見つけるために心理学を用いた診断を使うことも、歴史学者や評論家が予測する未来の話も、実はチンパンジーがダーツを投げて的に当てる確率と同じで”ほとんどアテにならない”と聞いたことがる。結局のところ、表面上で予測した情報よりも、自身の中に宿る情熱や直感に従うしかないということなのかもしれない。

そこで問題となるのが、冒頭でも触れた「がんばれる場所を探す努力」だ。

嫌なのにさらにがんばらなければならない状況ほどストレスになることはない。大切なのは、「好きだからこそ、がんばらなければならない」ことを探すことであって、いかに自分のモチベーションを持続させることができる分野なのかを慎重に吟味することである。

ストレスにも、悪いものと良いものがある。自分がより良い未来を手にするため、メンタル諸々を鍛えるために必要なのは、実は適度なストレスだという。声を鍛えるためには発声を。脚を鍛えるためにはジョギングといったように、ストレス耐性も筋肉のように強くすることができるという。その方法が、先述した適度なストレスを与えることらしい。確かに、筋肉も負荷をかけることで発達し、肥大化していく。その原理と同じで、ちょっとしたストレスを体感し続けることで、少しずつ自身のキャパシティが広がってゆき、ちょっとやそっとじゃ挫けないメンタルへ成長させることができるとのこと。

以上のことを踏まえて考えてみると、本当にやりたいことを見つけ、情熱を燃やし続けられるものだと確信を得たのならら、次なるステップはその分野で生じる適度なストレスを率先して受けにいくことが重要だと感じる。前に執筆した記事でも触れた「苦労は買ってでもしろ」が本記事のテーマと合致するところだろう。買うべき苦労と買わざる苦労を見極めるという話だ。

やりたいことの見つけ方なんて、今やいろいろな啓発本でしがみつくされた課題だが、それでも取り上げ続けられているのは、ひとえに「やりたいことがわからない」人間が大勢いるからだ。僕から言えるのは、とにかく自分自身との問答をとことん続けること。そして、哲学に触れて真理を学ぶことだ。自分という人間の思考と哲学を何度も何度も巡ることで、やがて本当に望んでいることが見えてくる。この領域に達することができたら、後は自ずと進むべき道が見え、その身が朽ちようとも燃やすに値する宿命を見つけることができるだろう。

がんばれる場所を探す努力はもちろん。まずは自分自身を知る努力をすることも、迷宮の出口を探すために必要な大いなる一歩となる。苦労と理想が結びつかないのなら、まずはあなた自身のことを知ってあげてはいかがだろうか？

それでは、また。