雨粒どもを凌ぐための
いまだに進化のない原始的な道具を
いつまで使い続けるのだろう
雨なんか嫌いだ
人は皆そう言う
己の気分を害すからと
人は皆そう言う
だが私は雨が好きだ
この上なく雨が好きだ
正確に言えば
好きになることができた
なぜなら
空よりもたらされた無数の水滴を受け
喜ぶ連中の声が聞こえるからだ
時には強風の中で
時には雷鳴の中で
一滴一滴
地面に落ちるその音の中から
彼らの宴が聞こえるからだ
喉の渇きを潤せて
気持ちいいことこの上ない
力の源たくわえて
気持ちいいことこの上ない
声なき声の喜びを
耳を澄ませて聞くことで
雨の見方も変わるだろう
世界の景色も変わるだろう
だから私は雨が好きだ
彼らの喜ぶ雨が好きだ