筆者の思想

僕の僕は何を想う

久方ぶりに、丸一日時間に縛られない日を過ごせた。物語のプロット制作や、来年から本格始動する次なる歌手活動に向けた準備を進めていたのだが、カフェに入ってパソコンやメモ帳を広げたのもここ最近なかったため、仕事ではありつつもリフレッシュした感覚を得ながら作業をすることができた。

頭の中にあるアイデアや考えなどを書き出すと気持ちがいいものだ。忙しさにかまけていると、脳の整理整頓をどうにも怠ってしまう。怠った分、時間は確保できるものの、荷物を下ろさず抱えたまま作業をするわけだから、結果的に効率が悪く生産性も上がらない。なので、こういった”自分と向き合う作業”はしっかりととってやらないと、心身ともに疲弊してしまう。今日という日を経験して、改めて僕の僕に何を思っているのか傾聴することが大切なことなのだとわかった。

脳の整理整頓は、何も荷下ろしをするためだけの作業ではなく、自分自身でも気がついていない埋もれた考えを掘り出す発掘作業でもある。

部屋の掃除と同じで、掃除の途中、思いもよらなかったものが出てくる感覚に近いかもしれない。物理的な断捨離の場合は、忘れているくらいだから捨ててしまった方がいいと決断することができるが、こと脳内の思考に関してはそうもいかない。アイデアなどは比較的腐る期間が曖昧だ。つまり、その眠っていた思考は、まだまだ需要があるかもしれないということだ。

アイデアは時代によって賞味期限が変化していくが、例外だっていくつもある。持ちネタとして、目視できる紙面などに仕分けしておく価値は大いにあるだろう。忘れ去られた思考は、もしかすると非常に価値あるものに変化するかもしれないし、誰かの助けになる可能性だった十分にある。

僕らが不安になる時は、行き先のマップが存在しない時だ。

要するに、やりたいことをやっていくために何をやればいいのかをちゃんと明確になっていないから、どうしようどうしようと心配になってくる。不安に養分を与えているようなもので、育ててはならない獣に無作為に餌をばら撒く行為に近い。その養分の行き先を書き出して、然るべきところへ届ける道筋を示す。手間も時間もかかるが、そこにかける時間は大変貴重なものになると僕は思う。もちろん、掘り出した思考を生かすも殺すも自分次第だ

うつ病の対処法の一つに、”前へ進んでいる感覚を持つこと”がある。ほんの少しでも、物事を前へ進めるだけでメンタルも落ち着かせることができるため、情報を書き出すことも効果があるということだ。フリーのアーティスト活動は不安との戦いだ。だからこそ、戦い方は慎重に選ぶ必要がある。歌手は歌うことだけが戦いではない。作家は書くことだけが戦いではない。歌手であろうが作家であろうが、自分と向き合わねばならない時は必ずある。アイデアと思考が見つかるのは、決まってリラックスしている時なのだ。

僕が僕に寄り添ったように、あなたもあなたに寄り添うことを忘れないでほしい。その時間は、きっとかけがえのない宝を手にいれる情報を教えてくれるはずだ。と、賑わうカフェで一人、一心不乱に書き殴った文字を見ながら思った。

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